少し前の話になるけど、沖縄タイムスの記事でなぜ日本人は“英語”が苦手? 原因を紐解く5つの理由とはという記事が掲載された。
これは、Why are Japanese so Bad at English?という記事を参考に書かれたらしいのだけど、なかなか興味深い内容だ。
この記事に書かれている5つの理由はこうだ。
【1】 授業の不十分な強化
【2】教室のコントロール
【3】不十分な練習
【4】沈黙が許される環境
【5】英語の必要性
なるほどなるほど。僕の考えと似てるところもある。
当もいログでは以前、子供の英語教育って本当にアリなのかな? という記事を書いたんだけど、結局、「日本人は英語が出来ない」ってことをネタにされるくらい日本人は英語が苦手ってことなんだよね。
つまり、子供の英語教育が流行っていたとしても、日本人の英語力の下支えにはなっていない、そういうことでしょう。
今回は、僕なりに考える「日本人が英語が苦手な理由」についてまとめてみたい。
そもそも言語体系からして異次元
日本人にとって英語が難しいのは、全く持って言語体系が異なるからだ。
文字、単語の考え方、文法・構文、発音方法、すべてが異次元と言ってもいい。
僕が最初に英語に詰まったのは使役動詞のmake。
なんで作るのmakeが「~させる」っていう意味になるんだよ!と疑問でならなかった。
他にも関係代名詞のwhich、that、関係副詞のwhere。
日本語にはこういった概念が無いから最初に出てきた時は戸惑う戸惑う。
おかげで僕は高校生の頃まで英語が大嫌いでした。
やっぱり勉強時間が足りない
日本人は中高と6年間英語を勉強しているのに全然喋れない!
この論調から日本の英語教育を批判する流れがある。
だがこの理屈は間違っている、と僕は断言できる。これについては後に譲ることにしよう。
6年勉強しても英語が喋れないのは、勉強時間が不足しているからだからだ。
学校の授業日数は1年で約200日。
毎日英語の授業があったとして1年で200時間。
それが6年間続いて1200時間。
学校のある日は自宅でも毎日1時間勉強したとして合計2400時間・・・。
イチから英語を勉強し始めてたった2400時間で喋れるわけないじゃん。
2400時間って100日だよ。
全然足らないと思う。ちょっとした会話くらいなら大丈夫だとしても・・・。
ちなみに英語と言語体系の近いドイツでは、大学に入る前の段階で英語が喋れるようになるらしい。これが言語間の距離だ!
日本の英語教育は間違ってるの
日本人が英語が出来ない理由の槍玉に挙げられるのが英語のカリキュラムだ。
そう、「文法中心」の英語の授業をやってもつまらない、役に立たないという意見。
果たして本当だろうか?
僕の知る限り、「文法はいらない、会話を教えるべきだ」という人は、学生時代に英語が嫌いになってその理由をカリキュラムのせいにしてきた人間か、胡散臭い英語の商材を売りつける人間くらいのもので、本当に英語ができる人間は文法の重要性を認識している。
なぜなら文法こそがその言語の骨子でありルールだからだ。
ルールが分かって、それを使いこなせて読み聞きが出来るようになり、段々と喋る、書く等の発信ができるようになる。
文法が分からないのに会話を教えてしっかり喋れるようになるのは子供だけであって、ある程度年を取った人間は上記のプロセスを踏まないと外国を喋ることは出来ないのだ。
文法を悪者にして中途半端な「会話」だけを教えようとする英会話学校や、聴くだけで英語が口から出てくると嘯くスピードラーニングには怒りすら覚える。
こんなものが売れるんだから、楽して英語が喋れるようになるって信じてる人間も多いんだろう。でもね、それが可能だったら既に授業で英語のカリキュラムに取り入れられてますから。
英語の勉強は繰り返し繰り返しが基本
ここからは余談だけど僕は大学生の時に英語の論文を読まなきゃいけなくなって、英語をしこたま勉強した。受験勉強から時間が過ぎていたこともあって、多くの事を忘れていたから文法のやり直しから始めたんだけど、コレが正解だったと今でも思う。
文法はその言語のルールだ。
これを知らなくては話にならない。言語を喋るどころか理解することも出来ないんだから。
不思議なことに文法を意識しながら英文を読むことを繰り返すと、文法を意識する必要が無くなる。こうなってくると、不思議と英語が英語のまま自分の頭の中に入ってくる。
こんな状態になった時に、初めて英語が何となくわかったような気分になった。確かその時点でTOEIC800点くらいだったかな。外国人と英語である程度はコミュニケーションできるようにはなっていた。
どんなに英語が苦手でも、繰り返し繰り返し続けると、気づいたらできるようになるんですな。