GW中にVITA版の『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』を100%クリアした。
発売日に届いてから少しずつやってクリアしたものだから、感慨深い。
2年ほど前、YU-NOのリメイクが作られると聞いた時は耳を疑った。
凄く嬉しかったけど、菅野氏がご存命でない中、いったいどんな感じに仕上がるのか不安もあったし、様々な事情で頓挫するんじゃないか・・・と言う思いもあった。
でも現実としてリメイク版は完成して、僕の手元に届き、十分に楽しむことは出来た。人によって感想は色々あるだろうけど、僕はYU-NOを現代の形で復刻させた良リメイクだと思う。
今回は個人的なYU-NOの感想をまとめたい。
初めてのプレイはセガサターン版
まずリメイク版のYU-NOを語る前に、僕のこのゲームとの出会いから。
僕が初めてYU-NOをプレイしたのは2000年の夏。
僕が高校2年生だった時。
確か「とても面白いアドベンチャーゲーム」とネットで紹介してあるのを見て、ヤフオクでソフトを落札した。
早速届いたYU-NOをプレイ。
全てが斬新だった。
ADAMSという斬新なシステムで並列世界を行き来し、登場人物や物語を把握して徐々に全体像が理解できるようになる仕組みや異世界編後半での謎の解明など、本当にプレイしていて引き込まれたし、面白かった。
プレイ後も色々な考察サイトを巡っては「あぁ、こういうことか!」と感銘を受けたものだ。まぁこの時は自分自身が主役と同じ高校生という事もあって、色々と感情移入があったのだと思う。
そしてしばらくして次にプレイしたのが缶詰のWIN版。
声は無かったけど、やはり文句なしに面白かった。
そんな感じで、僕にとっては定期的にプレイしたくなるゲーム、それがYU-NOだった。
リメイク版YU-NOの感想
前置きが長くなったけど、リメイク版YU-NOの感想をまとめたいと思う。
グラフィック及びキャラクターデザイン
リメイク版の一番の変更点と言えば、キャラクターデザインだろう。
凪良氏の描くキャラクターは、オリジナル版からプレイしている者からすると、違和感がハンパなかった。
どうも全体的に子供っぽいキャラデザに仕上がっていたからだ。
特に変わったと思ったのが一条美月。
オリジナル版では肩幅の広いゴツイ女性だったのが、リメイク版では凄く華奢になってる・・・。これなら素手でも十分に倒せそうだ・・・。
他にも主人公よりも年上の女性たちがあまり年上には見えない絵柄には「どうもなぁ・・・」と思っていた。
そんな感じで最初はデザインが気になっていたけど、プレイ途中からは慣れてしまって「まぁ、こんなもんかな」と言う感想になった。
システム
基本的にオリジナルのADAMSのシステムを踏襲したものだから、何も文句は無い。
操作性も悪くないし、既読の部分は灰色で表示されるのでプレイはしやすくなった。これは誰もが喜ぶグッドなポイントだと思う。
ただ、セーブできるのがオリジナルと同じ3つしかないのは如何なものかと・・・。
サウンド及びボイス
リメイク版はキャラクターの声優は一新され、音楽もリマスターされている。
キャラクターボイスの方は正直言ってあまり違和感はなかった。
絵が一新されていたからかもしれないけど・・・。
音楽の方は、オリジナル版とメイク版のどちらでも鳴らせるので聞き比べてみたけど、リメイク版のグラフィックなら音楽もリメイク版の方が良いかな?とは思う。
だけどオリジナルはオリジナルで良いのよねぇ。
総合すると・・・
正直な所、最初はリメイク版にはあまり期待していなかった。
なぜなら僕の目的は初回特典のオリジナル版のDLCカードだったから。
だけど実際にプレイしたら、思っていた以上に違和感もなく、オリジナルの良さを忠実に再現した良リメイクだと言える。もちろん、倫理的な問題で一部文章が変わっていたり、グラフィックが無かったりもするけど、それはまぁ仕方がないね。
久しぶりにYU-NOをプレイするきっかけとなったリメイク版には感謝である。
文句をつけるとすれば・・・・
そんなわけで僕としてはリメイク版については肯定的な意見なんだけど、ちょいと不満な点もあった。
公式サイトのネタバレの激しさ
まず一番の文句としては、公式サイトの登場人物紹介。
何でここまでバラすのかと不思議で仕方がない。
ご丁寧に異世界編の人たちまで紹介しちゃってさ・・・。
まぁ、リメイク版を買う人のほとんどが過去にプレイしたことある人たちばかりだと踏んで、このキャラクター紹介になったんだと思うけど、それでもバラし過ぎじゃないだろうか?
エンディングのスタッフロール中にボタンを押したら・・・
感動のエンディング。
スタッフロールが出てきたところで誤って何かのボタンを押したら、すべてがカットされてタイトル画面に戻ってしまった・・・。
スイッチを切ってもいつでも途中から始められるVITA版という事もあって、僕はあまりセーブしていなかったので、スタッフロール中のエンディングを見るために、異世界編のほぼ最初の段階から再プレイすることになった・・・。
スタッフロールは単にスタッフの名前が流れるだけじゃなく、ゲームの内容的にも凄く大事な部分なんだから、ショートカット出来ないようしてほしかった。
改めてYU-NOリメイクに携わった皆様に感謝!
YU-NOの音楽に携わった高見龍氏のインタビュー記事がある。
『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』音楽家・高見龍氏インタビュー 今明かされる『EVE burst error』『YU-NO』秘話
長いインタビュー記事だけど、オリジナル版のYU-NO製作時のエピソードからリメイクに至るまでの流れまで詳しく書かれている。
長い間「ELFと菅野氏との間でYU-NOの著作権の問題があってリメイクは出ない」と言われて久しい中、2011年に菅野氏と音楽を担当した梅本氏がが亡くなられた。
皮肉なことに、これがYU-NOのリメイクのきっかけになったわけだけど、製作中も色々な苦労があったと思う。
それでもこうしてリメイク版を販売してくれたことには本当に感謝である。
僕が初めてプレイしたのが17歳の時。
そして今年僕は34歳になる。
あの時から倍の年を取った。
結婚して、娘も出来た。
僕の状況は大きく変わったけど、名作はいつまでも名作だった。
今は5月中予定されているアップデートを待つばかりだ。